10年ほど前、あるカメラマンがピューリッツアー賞を受賞した。 その作品は、アフリカのやせ細った子供が荒涼とした地面にうずくまっていて、そのすぐ後ろでハゲタカがじっとその子供を見つめているという衝撃的なものだった。 この世で現実に起こっていることを世界中の人々にしらせ、アクションを起こさせること。それがカメラマンの考えであったに違いないし、多くのジャーナリストのモチベーションになっているものだと思う。。 しかし、そのカメラマンはジャーナリズムにおける世界最高の賞を受賞した1年後、自らの命を絶った。 なぜか? 人々の反応があまりに厳しかったからだ。 「なぜそんなむごい写真を撮れるのか?」 「写真撮ってる暇があれば助けろよ!」 「お前には人間の心というものがないのか!」 その写真を撮ったカメラマンの考えと、それを批判する人々の考え、さらにピューリッツアー賞を与えて褒め称えた人々の考え。 そのどれも間違っているわけではない。 絶対的な答えなどないからだ。 急激に進む社会の情報化の中で、情報に振り回されている人が多い。 この世の中には、絶対的な答えがあるものなどほとんどない。 そんな世の中で生きていくためには、少なくとも自分の中で答えを持つしかない。“自分の軸を持つ”と言い換えてもいいだろう。 軸を持った人間だけが生き残れる時代だ!