なぜ自分がその仕事をやっているのか? その理由を語れる人は強い。なぜなら、それは他人には真似できないからだ。 ウェザーニューズという会社がある。世界最大の天気予報会社だ。 そこの社長は自分のストーリーを語れる方である。しかも、強烈なストーリーを・・・。 それは、こういうことだ。かつて新卒で入った商社での2年目の出来事。当時、パルプの輸入業務に携わっていたその社長は、たくさんのパルプを積んで東京にやってきた船が渋滞のため港に入って荷降ろしが出来ないので、別の港に行くように指示を出した。そして悲劇が起こった。船がその別の港に停泊中に嵐に遭遇し、乗組員十数人が命を落としてしまったのだ。悔やんでも悔やみきれない。「もし正確な天気がわかっていれば・・・。」 以来、その社長は商社をやめ、天気予報ビジネスに携わり、今では業界で世界最大の会社を育て上げた。しかしその勢いはまだ止まらない。「21世紀は世界最大を目指す時代ではない。世界最強を目指す時代だ。」そう言いながら、世界展開を矢継ぎ早に実行されている。 こういう人に勝てるだろうか? 単なるビジネスとして天気予報サービス業界に参入しても、まず勝てないだろう。万が一、ビジネス的に勝てたとしても、それは本当の意味で勝ったとは言えない。なぜなら、ゴールが違うからだ。仕事の意味が違うからである。 なぜ自分がその仕事をやっているのか? その理由を語れるようになろう。