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執筆者の写真Akio Sashima

第14回 情報収集


ヨーロッパのとある国にある人材派遣会社は某国諜報機関が経営しているらしい。 冷戦終了、各国の諜報機関の主要な役割は、軍事情報の収集から産業情報の収集へと軸を移していったと言われる。そんな活動において、人材派遣・紹介業ほど理想的なカバーはないだろう。なにしろターゲットとする企業からの要望に応じて人材(スパイ)を送り込み、お金までいただけるのだから・・・。 情報収集の基本はヒューミント(人間による諜報)である。 いくらスパイ衛星で上空からのぞき見ようと、盗聴器で会話を盗み聞きしようと、人の心の中まではうかがい知ることはできない。スパイが接触して、情報を聞き出すのがベストな方法だ。 就職・転職活動における情報収集も同様である。これだけ様々な情報が溢れている現代社会においても、本当に必要な情報は簡単には入手できない。企業情報を集めようにも、ホームページにはPR的なことしか書いていないし、逆に2ちゃんねるなどの掲示板などには誹謗中傷罵詈雑言のみ・・・。最も必要な中立の情報、正確な情報は無きに等しいのである。 そこに質の高い人材紹介会社の存在意義がある。別に人材コンサルタントがスパイ活動をしているということではない。ただ企業の経営者や人事担当者から企業情報を聞くとともに、公開されている財務情報などをしっかり分析して、紹介先として適しているかどうかまで見極めているのである。また独自の情報ネットワークを駆使して、企業の客観的な情報も収集している。 もっとも、そこまでやっている人材コンサルタントは数えるほどしかいないのも事実。 その数少ないコンサルタントを見つけ、上手く使いこなせるような人材は、どこにいっても成功するだろう。情報の重要性をわかっている人間なのだから。

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