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執筆者の写真Akio Sashima

第44回 必要とされる人


先日、テレビを見ていたら、凄い人がいた。 在日の方で、新宿・歌舞伎町で「駆け込み寺」のようなことをされているという。 かつては年商20億を稼いだ社長。「在日だから、公務員以外の仕事は何でもやった」らしい。ある日、白血病になる可能性があると診断され、人生観が変わり、今に至ると言う。 様々な人が相談にやってくる。人生が、命がかかっている。 儲かるわけでもないのに親身に相談にのる。感謝はされるが、お金は入ってこないから給料も家賃も払えない。 これって、行政の仕事なんじゃないの?と思う。 この在日の元・社長がされているのは、まさに本人が「在日だから」出来ないといった「公務員」の仕事である。 留学時代、大学のあった市の新任市長のエグゼクティブ・セクレタリーと話したことがある。いわゆる助役。日本では考えられないが、大学院出たての24歳。イタリア移民3世の彼はその仕事のやりがいについてこう言っていた。 「毎日、色んな人から色んな相談が寄せられるんだ。俺にとってはすごく小さいというかどうでもいいような相談でも、そんな相談を寄せてくる人にとっては死活問題だったりする。だから少しも気を抜けない。彼らの視点に立って相談にのらないと駄目なんだよ。それが今は楽しくてしょうがない。」 政治の原点がそこにある。 いま、選挙が始まろうとしている。 本当に必要とされている政治家は一体何人いるのだろう? 形だけの論戦を得意げにやったって何の意味もない。 なぜ自分が今この国に必要とされるのか? それを示して欲しい。

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