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執筆者の写真Akio Sashima

第64回 2004年春の訪問者たち


この季節になると、飛び込み営業が多くなる。 電話だとガチャンと切ればいいが、来る奴はどうしようもない。 蹴り出すわけにも行かないし・・・。 一番困るのが、どう考えても「タチの悪い新人研修」としか思えない人たち。 「こんにちは!これ、在庫処分の商品なんですが、3つまとめて千円でいいです!」 目の前に出されるものは、使うとは思えない変な工具とか、見るからに古い型の懐中電灯だったりする。 「いらない」 「そうですよねー。いくら安くてもね。でもこれはどうですか?ボードゲーム。 何か会社でパーティーやるときの景品に持って来いです。」 「いらない」 「3軒隣の社長さんには買ってもらったんですよ。」 「・・・(うそつけ)。へー、あの人、モノ好きなんですね。」 「・・・・・」 「じゃあな」 俺を営業の練習台にするな。 でも、マヌケな訪問者といえば、せっかくテレアポを取ったのに時間間違えた奴。 アポ時間の30分も後に「すいません。00時にお約束していた00の00ですが、ちょっとバタバタしてまして・・・」 「いいよもう。忙しいから。」 「申し訳ございません。」 「もういいって。じゃあな。」 いちいち相手にしてる暇がない。 こういうのは女性が電話してきて、男性が営業に来るというパターンだから、 たぶん必死の思い出アポを取った女性社員からこってりと絞られるはず・・・。 自業自得。 あと、詐欺商売やってる奴らもタチが悪い。 「こんにちは。NTT代理店の00です。こちらの建物の電話交換機を新しくしまして、 調整が完了しましたので、今度はオフィス毎の電話設備を交換させていただいてます。」 「・・・そんなのオーナーからも管理人からも聞いてないですけど・・・。」 「いえ、これはもう話は通ってますから。」 「別に交換しなくても困ってないし。」 「いえ、義務なんです、義務。」 「じゃあ管理人呼んで来て。」 「さっき下には、いらっしゃらなかったです。」 「じゃあ俺から電話する。」 「いえいえ、みなさん忙しいですから。」 「俺も忙しいんだよ。じゃあな。」 こんな営業手法、バレバレだって・・・。 でも一番凄かったのは、馬みたいな犬。 風が気持ちいいので、玄関を開けっ放しにしていたら、いきなり入り込んできた。 「馬!?」 とビビッていたら 「すみませーん!チェリーちゃん!こっちおいで!」 チェリーちゃんって・・・。

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