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執筆者の写真Akio Sashima

第66回 目的を見誤るな!


小学生から中学生にかけての頃、プロレス雑誌のカメラマンになろうと思っていた。 なぜか? いつもリングサイドで試合が見れるからだ。 でも、あるとき、地元に巡業に来たプロレスを見に行き、その考えの問題点に気づいた。 それは試合中、カメラでパシャパシャ撮っていたときのこと。 友達が興奮して叫んだ。 「すげー、見た、今の?迫力あるなー!」 見たけど、ファインダー越し・・・。 撮るならやっぱり必殺技の瞬間でないとダメだから、技が出そうになるとカメラを構えてしまうのだ。 ここでジレンマが生じた。 そう、つまり 「写真を撮ろうとすると、必殺技の瞬間を自分の目で見れない・・・」 しかも追い討ちをかけるようにその友達は言った。 「あとで撮った写真くれよな」 自分で写真を撮るということにももちろん意味はある。 でも、子供心に違和感を感じた。 「何か損してるな、俺・・・。」 ついでにいうと、リングサイドで見たければ、お金を稼いで高いチケットを買えば済む。 試合を間近で見るという目的はそれで達成される。 同じ様なことが留学中にもあった。 友達と車で大陸横断の旅をしていたときのこと。 フロリダのあたりで景色のいい海岸線を走る道があり、 事前に地図で見ていて「ここは俺が運転する」と決めていた。 そしていざその道に入ると、友達が感嘆の声を上げ始めた。 「すげー、むちゃくちゃ景色いい!」 運転中だから、じっくり見れない。 「よそ見すると危ないからな!」 こんなはずじゃなかったのに・・・。 目的をしっかりと決めて、それを達成するためにはどうするのが一番良いのかをイメージしておかないと、こういうことになる。 それは日常生活でもビジネスの現場でも同じことだ。

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