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第92回 非日常の世界

  • 執筆者の写真: Akio Sashima
    Akio Sashima
  • 2005年2月4日
  • 読了時間: 3分

ミラノ、ヴェネチア、ロンドンと周ってきた。 ヴェネチアだけは純粋な観光。 ミラノから電車で片道3時間の日帰りだったが、久々に「非日常」の世界がそこにあった。 何しろ街全体が海に浮かんでいる感じで、水路が縦横無尽に走り、道は迷路のように入り組んでいる。 ここに「観光地」として来るのではなく、中世の時代のように事前の知識なく 普通にやってきたら、驚きは何倍にもなっていたはず。 このヴェネチアは今まで訪問した場所のなかで3本の指に入った。 ちなみにあとの2つは、ニューオリンズとエルサレム。 両方とも、「非日常」という点では引けをとらない。 ニューオリンズは学生時代に車で大陸横断する途中の大晦日を迎えた地であることもあるが、 それより何より街中に音楽(ジャズ)が流れていたのに感動した。 もちろん生演奏。 感動のあまり、ペンシルバニアに帰ってからサックスを衝動買いしたほどだった。 いまはリビングルームの棚で立派なお飾りになってるが・・・。 エルサレムも凄かった。 みんな普通に自動小銃を担いで街中を歩いている。 旧市街は道が迷路のように入り組んでいて、アラブ商人とユダヤ商人が競うようにお店を開いていた。 熱心なのはアラブ商人のほうで、無理やりマントみたいな衣装を試着させられて 100ドルとか言うし(もちろん買わなかったが・・・)、「俺は仙台にいたことがあるんだ。 ちょっと待ってろ」とかいって30分ぐらい待たされて、持ってきたのは柔道着。 「仙台のOOセンセイに習ったんだ。知ってるか?OOセンセイ。」 知る分けない。 「知らないか?柔道やらないんだな。まあいい。とにかく、うちの商品はいいものばかりだ。 日本は好きだから、買ってってくれ。日本人は買い物好きだろ?」 どういうセールストークだ? いずれにしろ、今回のヴェネチアの「非日常」には、いたく感激してミラノに帰ってきたが ホテルでテレビをつけたらNHKが見れた。 便利になったと思いながら見ていると、 そこに 「非日常」 があった。 「民主党は小泉首相の対応に納得せず議会から退場した。 今後は『政治と金』の問題について厳しく追求していく方針だ。」 いつまで同じことやってるのか? バカらしい。 日本でニュースを見ると慣れちゃってるが、海外で見るとそのバカらしさに改めて気づく。 こんなこと世界的に見れば「非日常」以外のなにものでもない。 さらに間抜けだったのが拉致被害者の遺骨が偽物だったことに対して 北朝鮮が「偽物というのは捏造だ」と発表したことへの政府の対応だ。 「政府は『世論』が抑えられないことを北朝鮮側に伝える方針である」 なんていってる。 今更、世論もなにもないだろう? 自国の国民が拉致されてるんだから、どんな手段を使っても助け出すのが当たり前。 なぜ世論が必要なのか? 北の情報工作で強硬派の政治家がスキャンダルに陥れられて世論が変化するのを待ってるバカでもいるのか? もはや「非日常」ここに極まれりだ。 その後、ロンドンに行き、改めて白洲次郎氏のことを思い起こした。 若き日の英国留学で「プリンシプル」を会得し、どんな強者相手でも筋を通し、 GHQから「唯一従順ならざる日本人」と言わしめた昭和の巨人。 彼が今の日本を見たら何と言うか? 理不尽なことがまかり通り、それもうやむやのまま忘れ去られ また同じことが繰り返される。 そんな「非日常」であるべきことが「日常」となってしまっている日本。 帰りの便を待つヒースロー空港で、学生時代の記憶が蘇ってきた。 日本人の友人とチャイニーズ・レストランで晩飯を食いながら交わした言葉だ。 「おい、大阪で横山ノックが知事、東京で青島幸男が知事になったらしいぜ・・・。」 「・・・もう、帰るの止めようか・・・。」

 
 
 

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