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  • 執筆者の写真Akio Sashima

第108回 あの人に出会えてよかった


転職希望者に限らず、仕事に関する相談で多いのが 「社内に目標となる人、ロールモデルがいないんです」 というものだ。 「だから、やる気が出ない」という。 気持ちはわからないでもない。 でも、そんなみみっちいこと言ってたらダメだ。 大体、社内の人間と競争してどうする? 今月の営業成績トップ、社長賞をもらった。 それはそれですばらしい事かもしれない。 でも所詮、コップの中の争いに過ぎない。 では社内ではなくライバル企業との競争はどうか? 「プレゼンで勝って、受注しました!」 それはそれですばらしい事。 でも、それも所詮はちょっと大きいコップの中の争いに過ぎない。 逆に「自分自身がライバルです!」という人もいる。 これも気持ちはわからないではないが、 具体性がないので、あまりいい考えではないと思う。 何かの分野で世界一を取った人は別かもしれないが・・・。 じゃあ、何と競争すればいいのか? これはあくまで一つの考え方に過ぎないが、 「人にどれだけ価値のあることを提供できたか?」 ということを、あらゆる仕事と比較しながら競争してみるといいかもしれない。 例えば、私のやっている人材紹介業界。 大手から中小まで、同業は掃いて捨てるほどいる。 でも、そんなのと競争している気はない。 関わった人が、数十年後に死ぬとき 「いい人生だった。転機はあのときの転職だった」 と思ってもらえるかどうか。 または、 「いい人生だった。転機はあのとき優秀な人材を紹介してもらって採用したときだった」 と思ってもらえるかどうか。 私が提供できる価値の終着駅はそこしかない。 死ぬ間際、 「あの先生に出会えてよかった」 「あの学校を選んでよかった」 そう思う人も多いだろう。 そうすると、ライバルは教育業界かもしれない。 「あの本に出会えてよかった」 そうするとライバルは作家、もしくは出版業界かもしれない。 「あの先生に出会えてよかった」 そうなると医療業界か、弁護士業界か、・・・。 そして結局行き着くところは 「あの人に出会えてよかった」 となると、ライバルはあらゆる人間ということになる。 相田みつをさんも書き残している。 「あなたにめぐりあえてほんとうによかった  ひとりでもいい こころから そういってくれる ひとがあれば」 世の中のすべてのことは、ここにつながっていく。 人生の中で出会う人にとって、価値のある人間になること。 それを常に心がけていれば、どうでもいい人間関係に悩むことはない。

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