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第113回 何のための仕事か?

執筆者の写真: Akio SashimaAkio Sashima

3年半ほど拠点としていた青山一丁目から白金へ引っ越した。 物件探しから引越しまで約1ヵ月半。 色々あったが、一番頭にきたのは、ある不動産屋の対応だ。 広尾駅至近にいい物件があったので、申し込んだものの 「ここは業界一審査が厳しいOO不動産の管理なので、審査をパスするのは難しいかもしれません」 とか言うので、その後も継続して探していた。 そして、そこよりもいい物件を発見した直後に 「審査が通りましたので、契約してください」という連絡が来た。 でも、もうそこはいいので「キャンセルして下さい」と言うと、担当者が 烈火のごとく怒り出した。 「なんですかそれは!社会人としておかしい。いや、人間として、おかしい!これは婚約破棄と同じですよ!」 おいおい、「婚約破棄」って例えが飛躍しすぎているよ・・・。 仲介料が入らなくなって悔しいのは分かるけど、そんなメチャクチャなことを言ってどうする? 私も人材紹介を始めてすぐの頃、内定した人材から「別の会社にも内定して、色々考えた結果、そっちに決めました」という連絡を受けて、ぶち切れそうになったことがある。 なにしろ内定した時点で紹介料をゲットしたと思って、ちょっと豪華に遊んでしまっていたりしたからだ(いま考えるとただのアホだが・・・)。 でもさすがに怒鳴ったりはしなかった。 結局、私がよりベターなポジションを紹介できなかっただけの話で、相手に非はないからだ。 だから「そうですか・・・。ではその新たな会社で是非頑張ってください」という他はない。 もちろんクライアントからは嫌味の一つも言われるが、それはしょうがない。 もともと私の仕事は、転職希望者にいい会社のポジションを紹介して、その人に今よりも充実した生活を送ってもらうこと。その人が、他のエージェント経由か、もしくは自分で新聞の求人情報などを見て応募して、私の紹介したのよりベターなところに決まったのなら、それはそれであきらめるしかない。 こちらの案件を無理に紹介しても、どうなるものでもない。 もちろん逆から見ると、「クライアントによりよい人材を紹介すること」も仕事だが、無理やり入社させた人材が活躍する確率はかなり低くなってしまうから、 不動産屋だって同じだ。 自分のところがいい物件を紹介できなかったのだから、しょうがないだろう。 自分の仕事の本質がわかっていない。 こっちだってキャンセルして少しは悪いと思っているのだから、引越しを考えている知人でもいれば紹介してあげようと思うところだが、こんな対応をされたら絶対に紹介なんてしない。 私を怒鳴ったってメリットは一つもないどころか、見込み客を失うというデメリットまであるということになる。 天に向かって唾するみたいなもの。 何のために、誰のために仕事をするのか? 日々の仕事に追われていると、いつのまにか見失ってしまいがちかもしれないが、 よく考えて仕事をしないと、とんでもない過ちを犯す。 耐震偽装問題のように・・・

 
 
 

2023年
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