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執筆者の写真Akio Sashima

第116回 自分にとって何が一番大切なのか?


ホリエモンはなぜ時価総額世界一を目指していたのか? 最近つくづく考える。 そうなることに何か意味があるのか? 確かに時価総額は会社の評価を計るうえでの指標ではあるが、絶対的なものではない。 時価総額世界一になることで何をしたかったのか? それが見えてこないから、みんなこれでもかというぐらい叩きまくる。 例えが飛躍しすぎるかもしれないが、 これは学生がテストの点数や偏差値を上げることだけに必死になるのと同じかもしれない。 その先に何があるのか? その一番大切なことを考えることを捨てて、とにかく必死に勉強する。 「そうすれば親が、先生が、喜んでくれるから・・・」 そこには自分の考えも、夢も希望もない。 「株主の皆さんのことを考えて一生懸命やってきた」 そんなホリエモンの言葉に偽りはないのだろう。 確かに株価は上がっていた。 でも、なぜ自分の人生を株主のために捧げなければならないのか? そこがわからない。 もし時価総額を上げることで実現できる夢があったのだとしたら、 時価総額世界一というのは、その夢というか目標のための手段である。 でも、いつのまにかそれが手段ではなく目標になってしまっていた。 その原因は何なのか? ちょっと儲かったから周囲に変なのがたくさん寄ってきたのかもしれないし、 メディアに持ち上げられすぎて周りが見えなくなってしまったのかもしれない。 でもやはり最大の原因は、やりたいことが明確に見えていなかったことであるはずだ。 だから手っ取り早い指標である時価総額に固執してしまった。 こんな惨めな話はない。 私が転職カウンセリングをするとき、年収に拘る人が多い。 当たり前といえば当たり前なのかもしれない。 でもよくよく考えると、本来やりたい仕事や、将来の夢に近づける仕事より、 100万円年俸の高い仕事を選ぶのだとしたら、 それは自分の夢をたかだが100万円で売ってしまっているようなものだ。 それだけの価値しか自分の夢に見出していないのであれば、どうでもいいが、 そうではないはずだ。 「でも転職して年収が下がるとカッコ悪いから・・・」 そんなどうでもいい世間体を気にしてどうする? そんなんじゃ確実に惨めな老後が待っている。 自分にとって何が一番大切なのか? それをよく考えて生きていかないと、周りに流されるだけの人生で終わってしまう。 「何でもいいから周りに評価されたい。」 でも、他人の評価なんて、目くそほどの価値しかない。 ここ最近のメディアの豹変振りを見れば、それは明らかだ。 他人の意見を聞くことはものすごく大切ではあるが、 そんなのに振り回されるのではなく、自分の頭で考え抜いて、自分で自分を評価することでしか 幸せな人生は送れない。

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