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  • 執筆者の写真Akio Sashima

第130回 人生はアグレッシブに!


格闘技のメジャーブランド『PRIDE』のオーナーシップが米国人に渡った。 もともと地方TV局のサラリーマンだった男が、当初は自費で交渉に駆けずり回って 実現させた第一回開催からちょうど10年。 今では世界中で認められるエンターテインメントになった。 熾烈な興行合戦の中ではどんなことがあったのかはわからない。 色んな悪いうわさが週刊誌を賑わし、昨年は地上波テレビ中継は突然打ち切り。 海外の成金が資金力にモノを言わせて業界に新規参入。 そんな中でむかしからライバルとして競い合ってきた米国団体のオーナーへの譲渡は、 素人的に見ても最善のカタチのように思える。 思い返せば5年ちょっと前。 勤務していたベンチャーが倒産し、途方にくれていたとき、東京ドームに足を運んだ。 ぞの年の前半にシウバにTKOされていた桜庭のリベンジを期待し、 そのリベンジを自らの再起に重ね合わせようという思いがあった。 でも結果は返り討ち・・・。 世の中、そんなに思うようには行かないと痛感した。 それでも心機一転、起業するためのきっかけとはなった。 一度負けても、二度目も負けても、生きている限り何度でもリベンジのチャンスはある。 リベンジを果たすためには、負けて落ち込むのではなく、 自分を追い込みアグレッシブに動かなければならない。 だからそれから2ヵ月後に起業、社名を桜庭の入場曲「Speed」とPrideを足したものにした。 我ながら安易だと思いつつ、思い入れがあったからだ。 半年後には青山一丁目に身分不相応なオフィスを構えた。 そうすると周りが勝手に「アイツは凄そうだ」と寄ってきて、 いつの間にか身分不相応だったはずのオフィスも普通になった。 そしてある日、凄いことを発見した。 当時、隣のマンションにPRIDEを運営する会社ドリームステージエンターテインメント(DSE)があったのだ。 その運命的な出会いに、 「やっぱり地球は俺を中心に回っている」 と勝手に感動した記憶がある。 ますます調子に乗って、アグレッシブになった。 PRIDEはそれ以降も、何度か観戦に行ったりしてきた。 リングの中でも外でも、色んな人間ドラマがあるから面白い。 色んな思いを持った格闘家たちが闘う舞台。 まさに社名のとおりのドリームステージで繰り広げられる闘いは、 多くの観客を沸かせる極上のエンターテインメント。 それは僕の人生をアグレッシブにした。 そんな思い入れのあるPRIDEのオーナーが代わるとなれば、 これまでの運営体制による最後の大会は見に行かないわけにはいかない。 それも今までみたいに 中途半端な席でほとんど見てるのはスクリーンに映し出される映像だけというわけにはいかない。 やっぱりこういうときもアグレッシブにということでVIP席を購入。 これをいい機会に、僕も心機一転しよう。

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