「汚職は国を滅ぼさない。正義は国を滅ぼす」
by コラムニスト・山本夏彦
<一部抜粋>
俗に井戸塀大臣といって戦前の政治家は国事に奔走して清貧に甘んじたと言うが、当時のマスコミはそんなことは言わなかった。政界は最下等の人物の集りで政党は腐敗の極に達し、その領袖は財閥の走狗であり利権の亡者だと毎日のように書いたから、当然それをまにうけるものが生じ、そのなかの一団は犬養毅を浜口雄幸を高橋是清を殺した。義によって殺したのだから彼らは俯仰天地に愧じなかった。当時も汚職はあること今に似ていたが、汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼしたのである。