相変わらずネット炎上が多い。 そのほとんどは言葉尻を捉えたものだ。 それはメディアによる意図的なものもあるし、単なる理解力不足もある。 後者の場合、国語の読解力テストであれば落第点モノだ。 もちろん当事者の「言い方が悪い」という指摘もあるだろう。 それを言い始めると、堂々巡りになってしまう。 バカと言われて、アホと言い返すようなものだ。 メディアは表面的なことを伝えるのではなく、その本質を伝えなければならない。 それができないのは「プロ」ではないということだ。 では本質を伝えるには、どうすればいいか? 簡単だ。本人に直接しっかりと真意を確かめた上で報道すればいい。 それがメディアの仕事だ。 それなのに、真意を確かめる前に報道し、 ひとしきり騒ぎ立てたあとに真意を質すような報道をするから、 そうなるともう当事者の言うことは言い訳にしか聞こえなくなってしまう。 いつもそうだ。でももうみんな、こんなことには飽き飽きし始めている。 当事者にしっかりと真意を確かめる。 これは、どんな世界でどんな仕事をする上でも、基本中の基本だ。 諜報の世界では、情報収集の9割くらいは一般に公開されている情報だと言われる。 あとの1割がいわゆるスパイ活動から得られる情報になるが、 そのなかでもスパイ衛星とか盗聴とかの最先端技術を使っても得られないのは、 人の心の中である。 要するに「真意」だ。それを得るには、ヒューミント(人を介した諜報)に頼るしかない。 これは転職活動にも言える。 いまやネット上は求人情報であふれている。 でもこれらはインフォメーションであって、インテリジェンスではない。 求人表には載らない、エージェントが人を介して集めた情報を加味したものが はじめて真の求人情報(インテリジェンス)になる。 そこには求人企業の「真意」がある。 プロの人材紹介エージェントの仕事は、インテリジェンス活動に通じるものがあるのだ。